生理について

生理と上手に付き合って、自分の全力を出し切りたい。
そのためにも、まずは生理について理解することから始めてみましょう。

生理って
どういうしくみ?

思春期に入ると、女性の体は妊娠するための準備が始まり、女性ホルモンの働きが活発になって、生理という現象が起きます。子宮の内側の子宮内膜は、少しずつ厚くなって赤ちゃんを育てる準備をしていますが、排卵のタイミングで卵子と精子が出会わなかった場合、必要なくなった子宮内膜がはがれ落ちて、血液と腟から体外に排出されます。

生理中に下腹部や腰、頭などに痛みを感じることがありますが、これらすべてを「生理痛」といいます。原因は、ホルモンの変化や身体的なものなどさまざま。たとえば、経血を排出するために子宮を収縮させるホルモンが過剰に分泌されるために、下腹部が痛くなることがあります。また、体が成長途中の10代の場合、経血がうまく排出できずに痛みを感じたり、ストレスで血流が悪くなって痛みが強くなったりすることがあります。
日常生活に支障が出るほどの痛みや、だんだんと痛みが激しくなってきたときは注意が必要です。婦人科を受診して原因を調べてみることをおすすめします。

生理周期が
バラバラでも
大丈夫?

生理が始まった日から次の生理が始まる前日までを生理周期といい、およそ25〜38日間隔で繰り返していきます。個人差や個人内でも差はあり、40日以上の長い周期が続く場合は、婦人科を受診してみてください。

生理周期は、大きく分けると4つの段階に分けられます。生理が終わってから次の生理が始まるまでの間も、子宮内膜が厚くなったり排卵したりなど、体内でさまざまな変化が起きています。生理周期を把握しておくと体調管理に役立つので、生理日を記録したり基礎体温を測ったりして、自分の周期をより正確に知っておくとよいでしょう。

生理期
生理がきている期間。おなかが重くなったり、胸がはった感じになったり、生理痛でおなかや腰に痛みを感じたりすることがあります。
卵胞期
生理が終わってから排卵までの期間。おりものが増え、おなかが少しはった感じがする人もいます。エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が増えることで、身体的にも精神的にも好調な時期となるでしょう。
排卵期
卵子が卵巣から放出される時期。どろっとしたおりものが出たり、おなかがチクチク痛む排卵痛が生じたりすることも。また、エストロゲンの分泌が減少することで、イライラや気分の落ち込みを感じることがあります。
黄体期
排卵後から次の生理が始まるまでの期間。基礎体温が上がるため、眠気が強くなることがあります。エストロゲンが減少し、プロゲステロン(女性ホルモン)が増加することで、むくみやイライラ、頭痛が生じやすくなります。PMS(月経前症候群)の症状が出る人もいます。

生理のサインって
どんなもの?

生理前のよくあるサインとしては、おなかや腰の痛み、むくみ、肌荒れ、疲れやすさなどがあります。気分の変化も特徴的で、イライラしたり落ち込んだりすることも。食欲の増加を感じる人も多いです。これらの症状は人それぞれで、毎月同じとは限りません。つらい症状がある場合は、無理せず休養をとったり、必要に応じて婦人科を受診するのも大切です。自分の体と上手に付き合っていきましょう。

生理前のイライラや
気分の落ち込みは、
どうすればいい?

生理が始まる3〜10日ぐらい前になると、眠気や頭痛、倦怠感などの身体的不調やイライラや気分の落ち込みといった精神的な不調が出ることがあります。これをPMS(月経前症候群)といいます。疲れていたり、コーヒーなどでカフェインを摂取したりすると、PMSの症状を強めることがあります。無理をしたり、コーヒーを飲むことはなるべく控え、栄養バランスのよい食事と十分な休息を心がけましょう。
まずは、自分の症状がPMSだと知ることで気持ちが楽になることもあります。日常生活に支障が出るほどの症状がある場合は、婦人科を受診してくださいね。