妊娠中期の過ごし方と気をつけるべきこと

妊娠中期の
過ごし方と
気をつける
べきこと

記事内容

妊娠中期は、赤ちゃんの成長が進み、つわりの症状も和らぎ、お腹のふくらみや胎動を感じて、少しずつ妊娠を実感します。巷では「安定期」と呼ばれることもありますが、妊娠中はどの時期もいつなにがあるか分かりません。赤ちゃんの発育や母体の健康を維持するために、栄養摂取や適度な運動、妊婦健診の受診などは欠かさずに。妊娠中期は比較的穏やかな時期ですが、身体の変化や症状に対する理解や対処法などを把握しておくようにしましょう。

この記事は次のような人におすすめ

  • 妊娠中期をもうすぐ迎える人
  • 妊娠中期の過ごし方を知りたい人
  • 妊娠中期の症状に悩んでいる人

妊娠中期の期間とは

妊娠中期とは、妊娠5〜7ヶ月の期間のことです。母体は少しずつお腹が大きく、重くなっていきます。赤ちゃんの成長は著しく進み、臓器の形成が終わって身体の発育が急速に進行していきます。動きも活発になるため、5ヶ月頃になると胎動が感じられるようになります。また、聴覚が発達し音が聞き取れるようになる時期なので、お腹の赤ちゃんにたくさん話しかけてあげてください。

安定期とは

母体のつわりが落ち着き、初期流産のリスクを乗り越えた時期であることから、妊娠5ヶ月以降は巷では「安定期」と呼ばれていますが、医学的に定められた用語ではありません。どの週数でもどんな時期でも、何が起こるかはわからないものです。安定期と呼ばれる時期を迎えると一安心かと思われるかもしれませんが、適度な運動やバランスの取れた食事を心掛け、なにか気になる症状があればかかりつけの産婦人科で相談しましょう。

妊娠中期の赤ちゃんの様子

赤ちゃんの様子

妊娠初期に形成された脳や脊髄、心臓などの器官は、中期に入るとそれぞれが発達し、妊娠5ヶ月ごろになると胎動として感じられるほどに動きが大きく活発になります。6ヶ月になると、身長や体重は小さいものの、肺の機能が発達したり、外見はほとんど新生児と変わらないほどに成長します。7ヶ月になると、手のひらに何かが触れるとぎゅっと握りしめる把握反射や、指しゃぶり、あくびもするようになります。

妊娠中期の体重の増加

妊娠中期の体重増加は、赤ちゃんの健康的な成長や母体の栄養状態に関わる重要なポイントです。急激な増加を防ぐためにも、定期的な体重測定を習慣にしましょう。厚生労働省は、妊娠前の体格区分別に推奨体重増加量を示しています。妊娠全期間を通しての推奨体重増加量は、「低体重」が12~15kg「普通体重」が10〜13kg、「肥満 1度」は7~10kg、「肥満 2度」は個別対応となっています。妊婦健診や医師との相談を通して、適切な体重管理と栄養摂取を意識してください。

妊娠中の体重増加指導の目安

妊娠前の体格 BMI 体重増加量指導の目安
低体重 18.5未満 12~15kg
普通体重 18.5以上25.0未満 10~13kg
肥満(1度) 25.0以上30未満 7~10kg
肥満(2度) 30以上 個別対応
(上限5kgまでが目安)

「妊娠中の体重増加指導の目安」(日本産婦人科学会,2021)

妊娠中期に起こる症状

妊娠中期から後期にかけて、マイナートラブルに悩まされることが多くなります。マイナートラブルとは、病気や合併症とは関係ない妊娠中の症状のことです。ここでは、代表的なマイナートラブルの原因と対処法をご紹介します。妊娠の経過に問題はないとはいえ、母親にとってはつらいものです。対処や予防法を知っておき、少しでも症状を和らげるようにしましょう。

立ちくらみ

妊娠中は体内の血液量が増えたり血管が拡張しやすくなる影響で血圧が変動しやすく、急に立ち上がると、めまいや立ちくらみが起きやすいです。立ち上がる時はゆっくりと、クラっとした時はすぐにしゃがみましょう。

便秘

ホルモンの影響で腸蠕動(ちょうぜんどう)が鈍くなったり、大きくなった子宮が腸を圧迫するため、便秘が起こりやすくなります。便秘を解消するには、十分な水分補給や適度な運動が大切ですが、なかなか改善されない場合は医師に相談するようにしましょう。

腰痛

お腹が大きくなったことで身体のバランスが取りづらくなり、腰や背中に負担がかかることが原因です。骨盤ベルトを活用したり、腰に負担がかからない楽な姿勢をとるようにしてみましょう。長時間同じ姿勢でいないようにし、適度な運動も効果的です。

動悸・息切れ

大きくなった子宮により横隔膜が押し上げられて肺や心臓を圧迫すること、血液量が増加することで心臓への負担が大きくなることが原因です。動悸や息切れを感じたときは、大きく息を吸って深呼吸するなどして、おさまるまで休みましょう。なかなか治らない場合は医師に相談しましょう。

かゆみ

妊娠中は肌が乾燥しやすくなり、外部からの少しの刺激でもかゆみが生じたり(妊娠性皮膚掻痒(そうよう)症)、発疹が手足を中心に現れる(妊娠性痒疹(ようしん))こともあります。かゆみ対策にはとにかく保湿が大事です。市販のシンプルな保湿剤でかまいませんので、保湿をしっかりして、それでも改善されない場合は、医師に相談するようにしてください。

妊娠中期に
注意すべき病気やリスク

赤ちゃんの成長が活発に進み、母体の変化も目に見えて感じられる時期です。母子ともに健康でありながら安全に妊娠を進めるために、注意すべき病気や合併症がいくつかあります。ここでは、とくに妊娠中期に注意が必要な病気やリスクについてご紹介します。

病院

切迫早産

妊娠22〜36週の間に、強い子宮収縮が生じたり子宮口が開いたりするなど、赤ちゃんが生まれそうな状態になることです。早期に発見できれば妊娠を継続できる可能性があります。原因がないこともあれば、感染などが原因のことも。虫歯や歯周病が影響することもあるので、妊娠初期の歯科検診は重要です。また、精液には子宮口をやわらかくしてしまう成分が含まれているので、妊娠中の性交渉は必ずコンドームをしましょう。赤ちゃんの健康な成長のためにも、予定日頃までできるだけ長く母親のお腹の中にいることが理想的です。

子宮頸管無力症

子宮口がゆるんで開いてしまうことで、妊娠中期以降に発症します。多くは陣痛などの下腹部痛や不正出血などの自覚症状を伴わず子宮口が開いてしまうため、なかなか自分で気がつくことができません。ですから、妊婦健診を定期的に受けることが重要です。

妊娠高血圧症候群

妊娠中に高血圧を発症することです。妊婦さんの約4〜5%の割合で発症するもので、子宮や胎盤の血液の流れが悪くなることで、赤ちゃんに十分に栄養が届かず、発育が遅れたり早産のリスクが高まったり、母体が危険になることもあります。妊娠高血圧症候群と診断されたら、妊婦健診での先生からの指示にちゃんと従いましょう。状態により、予定日よりも早めに出産を促すこともあります。

妊娠糖尿病

妊娠中に発見される糖代謝異常のことです。母体が高血糖だとお腹の赤ちゃんも高血糖になってしまい、妊娠高血圧症候群の併発や巨大児のリスクが高まります。妊婦さんの約12%の割合で発症するといわれているため、きちんと検査を受ける必要があります。妊娠糖尿病と診断されたら、まずは炭水化物を控えたり少しずつ小分けに食べる(分食)などの食事療法が基本です。かかりつけの産婦人科での指導に従いましょう。

妊娠中期の過ごし方

お腹の成長が目立ち、ほかの人から見ても妊婦さんだとわかるようになるこの時期。
赤ちゃんが健康に成長するために、日常生活の過ごし方を見直してみましょう。

まず、赤ちゃんに栄養を送るため、さまざまな栄養素を満遍なくとることが大切です。体重を気にするあまり食事を制限したり、妊娠中だからと食べ過ぎたりしないようにしましょう。次に、体調維持のために適度な運動を習慣にしていきましょう。ウォーキングや妊婦向けのヨガなどの軽い運動がおすすめです。無理な運動や激しいスポーツは避けてください。
そして、十分な睡眠をとってください。 妊娠中は身体への負担が増えるため疲れを感じやすく、睡眠不足は疲れがたまってしまいます。日中も疲れを感じたら、楽な姿勢で無理せず休みましょう。最後にストレスをためないことです。ただでさえ心身の変化や不安により、ストレスを感じやすい時期です。強いストレスが続くと身体にも悪影響なので、リラックスする時間をつくったり、趣味や好きなことに時間を使ったりするなど、自分なりの解消法でストレスをためないようにしてください。

睡眠

妊娠中期に気をつけること

赤ちゃんの成長が活発な時期であるため、妊婦自身の体調管理も重要になります。
今回ご紹介する気をつけるポイントを意識して過ごしましょう。

体重管理

赤ちゃんの成長に伴い体重が増加する時期ですが、過度な体重増加は妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などのリスクを高めます。過度に神経質になる必要はありませんが、バランスの良い食事や軽い運動によって適切な体重管理を心がけましょう。

妊娠中の運動

適度な運動は重要ですが、お腹が大きくなってくるため運動の種類や激しさには注意が必要です。低負荷の運動や妊婦向けのエクササイズを選び、体調に合わせて運動を続けましょう。

妊娠線の予防ケア

妊娠に伴う急激な体型の変化でお腹や胸の皮膚が伸びることによって、妊娠線ができる可能性があります。皮膚の体質には個人差があり、どうしても予防しきれないこともありますが、クリームを塗るなどの保湿ケアをして、皮膚が柔らかい状態を保つことで緩和できます。

姿勢

背骨や骨盤に負担がかかりやすいです。正しい姿勢を保つことで、不快感や腰痛を軽減することができるので、座るときや立つときは背筋を伸ばし、適切な姿勢を保つことを意識しましょう。

妊娠中期にすべきこと

妊娠中期は、母親の健康管理や出産に向けた準備が必要な時期です。
ここでは、妊娠中期にすべき4つのことをご紹介します。

両親学級

出産や子育てに関する知識を深めるために両親学級へ参加することをおすすめします。両親学級では、赤ちゃんの成長や出産の流れ、産後のケアなどを学ぶことができます。また、ほかの参加者との交流もあるため、情報交換ができて安心感を得られる場となります。

カレンダー

歯科健診の受診

妊娠中は、ホルモンの変化により虫歯や歯周病のリスクが高まります。妊娠中も一般的な歯科治療は受けることができます。虫歯菌や歯周病菌が口から体内に入り込むと、早産や赤ちゃんの低体重(子宮内胎児発育不全)を引き起こす可能性もあるので、妊娠したら早めに(できれば妊娠前から定期的に)歯科健診を受けるようにしましょう。妊婦健診助成券とともに歯科検診の助成券もついていることがあるので活用しましょう。

妊婦健診の受診

妊婦健診は妊娠中期においても重要で、赤ちゃんの成長や母体の健康状態を確認できます。赤ちゃんの発育状況や母体の血圧、尿検査などをチェックすることで、問題を早期に発見し治療することができるので、定期的に受けるようにしましょう。

妊婦健診でおこなうこと

出産準備

妊娠中期は、出産準備を始めるタイミングです。出産に向けて必要なものや手続きを確認し、準備を進めましょう。陣痛破水時の病院への移動手段の確認、出産や産後に必要な用品の準備など、まだ身体が比較的身軽なうちから準備をはじめておくのもおすすめです。早めの準備で、安心して出産を迎えることができます。

製品詳細

妊娠検査薬

排卵日予測検査薬

生理予定日当日から検査できる

妊娠診断補助試薬

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