記事内容
身体的にも精神的にも負担がかかるうえに、
まわりの人には相談しづらい、不妊治療のこと。
ここでは、それぞれ異なる状況を経験した3組の夫婦の経験談をお聞きしました。
身体的にも精神的にも負担がかかるうえに、
まわりの人には相談しづらい、不妊治療のこと。
ここでは、それぞれ異なる状況を経験した3組の夫婦の経験談をお聞きしました。
妻34歳、夫24歳のときに結婚。
約1年間の不妊治療を経て出産。
女性
(音楽関係)
男性
(マスコミ関係)
医師から言われた「妊娠したいなら早めにした方がいい」という言葉をきっかけに、クリニックを受診。
インタビュアー:妊娠を意識し始めたのはいつごろですか?
女性:もともと子どもは欲しいと思っていましたが、結婚してから1年ほどは仕事による生活のすれ違いもあって、自然に任せようとのんびり構えていました。35歳のときに受けた婦人科検診で子宮頸管にポリープが見つかって、「妊娠したいなら早めにした方がいいよ」と医師に言われたときに、なにか行動しなくてはと思いました。
男性:僕も妻も、朝が早かったり夜が遅かったり、まともな時間に食事をとれないくらい不規則な生活を送っていて、2人の生活リズムが本当に合わなかったんです。なので、妊活という段階は飛ばして、すぐにクリニックを受診することにしました。
女性:検査の結果、私は卵管が癒着してしまっていること、夫は元気な精子が少ないことがわかりました。医師から癒着をはがす手術と排卵誘発剤の使用、体外受精の3つの治療の提案を受け、年齢のことも考えてすぐに体外受精をすることを決めました。
インタビュアー:体外受精から始まったのですね。
女性:そうですね。年齢や生活リズムのことを考えると、そうなるだろうなと思ってはいました。始めてみると、採卵でたくさん卵がとれても、受精、凍結、移植といった段階ごとにどんどん数が減っていき、うまくいかないことが続きました。それから子宮内フローラの検査や着床タイミングを知る検査、免疫の検査などいろいろな検査を受けて、自分は自己免疫力が高い体質だということがわかって、免疫力を抑える薬を使って妊娠することができました。
男性:治療を始めてから1年くらいかかったと思います。2人とも平日休みがあったので、通院のタイミングは合わせやすかったですね。
インタビュアー:治療中にかけられて嬉しかった言葉はありますか?
女性:受精卵を移植して着床した後、hCGホルモン(妊娠中につくられるホルモン)の値がとても低く、妊娠継続が厳しいと見込まれる状況で、医師から妊娠継続有無の判断を委ねられることがあったんです。自分で判断する苦しさや、一瞬でも宿った子がいなくなる悲しさがありました。医師からはこの時期で妊娠継続をしないこと(流産を選ぶこと)は、自然妊娠している人だと生理が少し遅れる程度の、自身の妊娠にも気づかないような「化学流産」と同じ状態だと教えられ、悲しむようなことではないと自分に言い聞かせていました。でも、その後そのことを友人に話したとき、「そんなにつらい思いをしていたんだね」と大号泣しながら言ってくれて、「ああ、悲しんでいいんだ。泣いていいんだ。」と思えて、とても励みになりました。
高齢出産における合併症のリスクを理解し、より安心できる場所での出産を決意。
インタビュアー:高齢出産に対する不安はありましたか?
女性:やっぱり妊娠合併症のリスクですかね。インターネットや本を読み込みすぎて、リスクが高いことを過剰に心配してしまって。恐怖心が強かったです。
男性:リスクを理解していたので、周産期母子医療センターで出産すると2人で決めました。母体と赤ちゃんの両方を助けてもらえる確率が高いんですよ。
女性:1時間半かけて通っていました。妊娠糖尿病にかかってしまったのですが、いろんな検査をしてくれる病院だったので、早期に発見することができました。
夫婦のコミュニケーションを大切に、お互いを思い合いながらの治療。
インタビュアー:お互いをどのように支え合っていましたか?
女性:妊娠糖尿病の治療の一環で食事制限をすることがあったのですが、お米や野菜の摂取量を決められていたり、必ず間食をとらないといけないけど甘いものはだめだったり。かなりつらかったのですが、夫も一緒にやってくれたので頑張ることができました。
男性:2ヶ月程度の期間だったのですが、なかなか大変でしたね。今もそのときの感覚が抜けていない気がします。あとは、毎日少しでも2人でゆっくり話せる時間をとるようにしていました。夫婦のコミュニケーションがとれていないと、治療もうまくいかないと思って。
女性:私が意識していたのは、とにかく感謝することです。たとえば作ってくれたご飯の味が濃かったとしても、やってもらうことを当たり前だと思っちゃいけないので「ありがとう」「助かるよ」という言葉をたくさん言うようにしていました。
男性:時々怒られながらも、おだててもらってやっていましたね(笑)
無事に生まれてきてくれた安堵。大変なこともあるが、楽しくて仕方ない赤ちゃんとの毎日。
インタビュアー:出産したときの気持ちを教えてください。
女性:とにかく安心しました。無事に生まれてきてくれて、「おぎゃー」と元気に泣いてくれて、ちゃんと目も開けてくれて。もうそれだけでホッとしました。
男性:前期破水だったので、生まれる2日前から入院していました。ずっとソワソワしていたんですけど、母子ともに無事に終えられて本当に安心しました。妻には、感謝と労いの気持ちでいっぱいでした。
インタビュアー:赤ちゃんとの生活はいかがですか?
女性:まだ出産してから1ヶ月くらいですが、育児の全部が楽しいです。もちろん、ずっと抱っこしていないと泣いちゃうとか、全然寝ないとかでしんどいときもありますが、やっぱり「我が子ってこんなにもかわいいんだ」と常々思います。
男性:僕たちのもとに来てくれるまで時間がかかった分、本当にかわいくて仕方ないです。毎日健やかに成長してくれて嬉しいです。
出産に向けた環境づくりは、計画的に。1人で抱え込まない妊活を。
インタビュアー:妊娠や出産を通して感じたことはありますか?
女性:私は、「本当に運が良かったな」と感じます。先ほど、自己免疫力が高かったので免疫力を抑える薬を使ったという話をしましたが、あの薬はもともと臓器移植などをした方が使うものなんです。リスクが高いので、数年前までは妊婦さんに使うのは禁止されていました。そもそも体外受精をしても必ず妊娠できるわけではないですし、無事に生まれてきてくれたことも奇跡だと思います。すべてに感謝したいです。
男性:同じ気持ちです。自分にできることが少なかった分、頑張ってくれた妻や生まれてきてくれた子どもに対して感謝の気持ちが大きいです。だれもが簡単に妊娠できるわけではないことや、無事に生まれてきてくれることが奇跡だということを、知識として知ってはいましたが、不妊治療の当事者になって身をもって実感しました。
インタビュアー:最後に、読んでいる方へのメッセージをお聞かせください。
女性:簡単にできないこともあることを知ってほしいです。私のように年齢を重ねてからの出産となると、まずは自分の身体を整えることが大切だと思いました。それができない職場環境だったら職場を変える必要もあると思います。積んできたキャリアを手放すつらさもありますが、自分が何を最も優先したいかを考えて決めてほしいです。妊娠や出産がゴールではないので、長期的に計画しておいた方がいいと思います。
男性:僕も生活リズムや周りの環境はとても重要だと思いました。通院もそうですし、お互いに情報共有の時間をとることも大切だと思います。体力的にも精神的にも準備が必要だと思いましたね。あとは周りの助けを借りるとか。僕たちの場合は、妻の叔母が保育士をしていたこともあってサポートしてもらっていて、とても助かっています。
女性:周りに頼れる人がいないときも、SNSなどで同じ状況の人を見つけて繋がれると、「1人じゃない」と思えます。私も治療でつらいとき、SNSを見て支えられていました。どうか1人で抱え込まないでほしいなと思います。
妻27歳、夫28歳のときに結婚。
妊娠を意識し始めてすぐにクリニックを受診し、
約3年間の不妊治療を経て出産。
女性
(メーカー研究員)
男性
(学校教諭)
治療は2人で取り組むもの。お互いの気持ちを想像しながら続けた通院。
インタビュアー:妊娠を意識し始めたのはいつごろですか?
女性:結婚から1年経った頃です。私が就職してから2年が経って、仕事に慣れてきたタイミングでした。もともと生理不順があったこともあり、すぐに夫と近所のクリニックへ行きました。
インタビュアー:通院はお2人で?
男性:新型コロナウイルスの影響で付き添いを禁止されるまでは、できるだけ一緒に行くようにしていました。平日に1日だけ休める日があって、その日に妻が通院日を合わせてくれたので無理なく通えました。
女性:夫が一緒にいてくれるともちろん心強かったです。でも、だんだんと待ち時間が2時間、3時間とかかってしまうようになり、夫の時間を割いてしまう申し訳なさも出てきました。付き添いを禁止されて、「一緒に行く」という選択肢がなくなったことは、良かったのかもしれないと今になって思います。
男性:いやいや。治療は2人で取り組むものだから、申し訳ないとは思わないでほしいですね。一緒に話を聞くことで情報を得られますし、どれくらい大変かも想像しやすくなるというか。気持ちを理解しようと歩み寄りやすくなったと思います。付き添いを禁止されてからも、病院に行ったときの話は逐一聞いていました。
心身ともに大変だからこそ、周りの人や同じ境遇の人の声を励みに。
インタビュアー:どんな治療を受けましたか?
女性:はじめにタイミング法を3回、それから人工授精を7回、顕微授精を1回行って、1人目を授かりました。私としては、すぐに顕微授精といった高度生殖医療に取りかかりたかったのですが、医師と相談して、年齢的にもまずはタイミング法や人工授精から試してみようとなりました。
インタビュアー:治療中、どんなことが大変でしたか?
女性:クリニックに通っていると、突然会社に行けないタイミングがきたり、体調が悪くなったりするので、仕事にアサインされづらくなりました。経験もなかなか積めないですし、そこはとてもつらかったです。そのため、スケジュールが柔軟に組みやすい部署に異動させてもらいました。治療と両立しながらキャリアが築けるよう、将来のプランや今何を一番大切にすべきかを考えながら決断しました。
男性:僕は、気持ち的に少しつらいところがありました。治療のなかで、たとえば精子の状況とかをチェックされるのですが、運動率が低かったり濃度が低かったりすることがあります。そういうものを数字として突きつけられると、「自分は男性としてダメなのかな」という気持ちになることがありました。あとは、不妊治療はうまくいかないことが多いなかで、「いつまで続くのか」という漠然とした不安もありましたね。でもやっぱり、妻の方が大変なことが多いので、弱音は吐いていられないと思っていました。本当にしんどそうだったので。
女性:どうしても身体的に影響が出てしまうんですよね。薬の副作用や処置の合併症で吐き気が止まらず寝たきりになる時期もありました。そんなとき、同僚や友人から心配や共感の言葉をもらって、「1人じゃない」と心強い気持ちになりました。私はSNSや職場で不妊治療を受けていることを公開していたので、「実は私もやっている(いた)んだよね」というメッセージをもらうことがあり、励みになっていました。
生まれるまでの緊張感と無事出産できたことへの感謝。
インタビュアー:妊娠がわかったときの気持ちをお聞かせください。
女性:とても嬉しかったですが、無事に生まれてきてくれるか不安もありました。本当にお腹の中にいるのか不思議な気持ちもあって、「ここからがスタートだ」という思いでしたね。あとは、自分の身体が、子どもが産めるとわかったことも嬉しかったです。
男性:妻から連絡がきたとき、純粋に嬉しかったです。それまでうまくいかなかったことが多かったので、「今回はうまくいったんだ」という驚きもあって。そのあと、妻と同じように舞い上がりすぎないよう気をつけていました。まだ安心できる時期じゃなかったので。
女性:生まれてくるまでずっと不安はありました。なので、出産したときは「やっと会えたね」と思いました。無事に生まれてきてくれた感謝もありました。今は、夢に見た自分たちの子供との生活を送れていることが何よりも幸せです。
男性:毎日が新しいことの連続で、子どもの成長を見ることが楽しいです。子どもと一緒に過ごす時間を大切にしたい気持ちが、どんどん強くなっています。
子どもができない人もいるということへの理解を。
つらい時は同じ境遇の方の声などに耳を傾けて。
インタビュアー:最後に、妊娠や出産を通して感じたことを教えてください。
女性:世の中には妊娠や出産がスムーズにいく人とそうでない人がいて、そのどちらになるかは本人の意思では選ぶことができません。無事に出産できても健康に生活を送れるとは限らないですし、本当にここは運だと思います。なので、私の場合は「自分はこういう身体に生まれてきたのだから、妊娠に関しては医療の手を借りてやるしかない」と割り切ることができました。
男性:同じことになりますが、妊娠や出産については、本当に天に任せるしかないのだと思いました。僕たち夫婦には二度の稽留流産の経験があります。2人目を望んでもなかなかできないからこそ、生まれてきてくれた第1子は奇跡の子だと思いましたし、大事に育てていきたいという気持ちが強まりました。それと、流産の診断を受けた後に妻が、出血が止まらなくなって救急車で運ばれたことがあって。さらにそのあと1ヶ月ほど貧血でフラフラの状態だった姿を間近で見ていて、女性が子どもを産むことは命懸けだということを再認識しました。
女性:あと、本人の意思とは関係なく子どもができない人もいることを多くの人に理解してほしいと思います。そして、人知れず治療をしている人には「あなただけではないよ」と伝えたいです。周りの人に言えなくても、匿名で繋がれる妊活アプリなどもあります。SNSで妊活アカウントをつくったり、今回のような経験談を読んだりするのもいいと思います。自分に合ったものを見つけて、1人で抱え込まず取り組んでほしいと思います。
2人が28歳のときに結婚。
1年が経過しても妊娠しなかったことから、
本格的に妊活をスタート。
半年ほどして不妊治療専門のクリニックを受診し、
約1年間の治療を経て出産。
女性
(医療事務)
男性
(営業職)
クリニック受診で判明した不妊の原因。
インタビュアー:妊娠を意識し始めたのはいつごろですか?
男性:もともと 2人とも子どもは欲しいと思っていて、自然にできると思っていたんですけど1年が経ってもできなかったので、意識し始めました。妊娠しやすいタイミングをはかることから、徐々に妊活を始めていきました。
女性:半年くらいしてクリニックを受診しました。地元にクリニックが少なかったので、ホームページを見て選んで、とりあえず行ってみたという感じでした。検査結果は2人とも問題なし。そこではタイミング法の指導を受けていましたが、夫の転勤が決まり、別々で暮らすことになりました。離れても妊活は続けていましたが、1年経っても妊娠できなかったので、仕事をやめ夫のところへ行き、もう一度クリニックを受診しました。
男性:そこで、僕の精子濃度に問題があることがわかったんです。何回か検査や診察を受けましたが結果は同じでした。「精子濃度が低いため自然妊娠は難しく、段階を踏みながら顕微授精などの体外受精を早いうちにやった方がいい」と医師に言われました。
インタビュアー:そのときの気持ちをお聞かせください。
男性:やっぱりショックでした。多くの人が持っているものが自分にないということなので。自然に妊娠を望める身体ではないということは受け入れがたかったですし、治療法や改善する方法がないこともつらかったです。妻も私も、子どもを望む気持ちが強かったので、しばらく険悪な空気が流れて、「子どもができないならもう別れた方がいいんじゃないか」という話までしました。自分が原因で不妊治療をする必要があるのに、負担は妻に大きくかかるという点も苦しかったです。
女性:勝手な思い込みで、原因は女性側にあるものと思っていたので驚きが強かったです。詳しく話を聞いてみると、治療法はないということだったので、そこがまずショックでした。女性側の原因だと治療できることが多いので、「原因が私にあったらよかったのに」と思ったこともありましたね。
大切なのは、自分たちの気持ちに寄り添ったクリニック選び。
インタビュアー:クリニックではどのような治療を提案されましたか?
女性:不妊の原因がわかってから最初に行ったクリニックで、すぐに顕微授精から始めましょうと言われました。効率を重視したプランだと思うのですが、あまりに急なスピード感で話が進んでいくのと、もう顕微授精しか手立てがないという雰囲気に不安な気持ちが強まって、その場で泣いてしまいました。
男性:そこのクリニックは成果主義的な方針で、その分実績も高かったのですが、実際に話してみて感じた機械的な進め方が僕たちには合わないと思いました。次に行ったところの医師からは、「可能性は0じゃないから、自然妊娠できるよう頑張ってみよう」と言ってもらえて。やっていく人の気持ちを大切にする方針が合っていると感じたので、そこへ通うことに決めました。プロテインを飲んだり、下半身の筋トレをしたり、食事改善をしたりと、先生のアドバイスをもとに頑張ってみたもののなかなか授かれず、最終的には顕微授精で妊娠できたのですが。
インタビュアー:クリニック選びでのアドバイスなどありますか?
女性:つらい治療を続けていくなかで、病院選びは最も重要視するべきだと思います。どうしてもホームページの情報だけだと限界があるので、実際にクリニックへ行ってお話を聞く必要があります。病院や先生によってまったく方針がちがうので、少しでも違和感を感じたら自分たちのメンタルを守るためにやめておいた方がいいと思います。自分たちに合った病院選びを諦めないでほしいです。
治療と仕事の優先順位を自分たちの中でもクリアにしておく。
インタビュアー:治療と仕事の両立はどうでしたか?
男性:生活リズムを整えるために、決まった時間に食事をとるようにしていたので、途中で仕事を抜けることが増えました。集中が毎回そこで切れてしまうので、それまでよりは生産性が落ちてしまいました。でも、上司に相談や説得をして、優先すべきことは治療だと理解いただけたのでよかったです。
女性:私は病院に勤めているのですが、院長のご厚意で、排卵誘発のためのホルモン注射を看護師さんに院内でやってもらっていました。通院の手間が省けてとても助かったのですが、多くの看護師さんから注目されてしまったんですよね。何をしているのか、注射の効果など、医療従事者として関心を持っているということはわかっていても、好奇の目を向けられているような気がしてしまって。もちろん感謝が大きかったですが、複雑な気持ちになってしまいました。注射の薬を薬剤部に保管してもらったりと他部署も関わってきて、治療のことをたくさんの人に知られてしまって、どう思われているのかが気になってかなりストレスを感じました。
インタビュアー:周りの人に治療のことは話されていたのですか?
男性:わりと話していました。「そろそろ子どもは?」と言われたときに、自分に原因があることも含めて伝えていました。内心は「そんなこと聞いてくれるなよ」という気持ちでしたが…。
女性:独身の友人には話していましたが、親や子どもがいる友人には話せませんでした。唯一子どもが2人いる後輩に話したときに、「やっぱり子どもがいた方が幸せなのかな」と聞いたことがあるんです。そこで彼女に「そんなのどっちも幸せですよ!子どもがいてもいなくても、そこは変わりませんよ!」とあっけらかんと言われて気が楽になりました。今でもとても印象に残っています。
感謝の思いでいっぱいの出産。
インタビュアー:出産したときの気持ちをお聞かせください。
女性:不思議な気持ちでした。「本当にこの子がお腹の中にいたんだな」と。もちろん嬉しかったですし、「たくさんの人の協力があってこの子の命が誕生したんだ」と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
男性:「無事に生まれてきてくれて、産んでくれてありがとう」という気持ちが大きかったです。あとは、これから自分がどんなことをしてあげられるかを考えていましたね。簡単に子どもを授かれなかったからこそ、この子を大切に育てようという想いが強まりました。
始めるときは覚悟を持って、お互いが納得できる計画を。
インタビュアー:妊娠や出産を通して感じたことを教えてください。
男性:僕の場合は、もっと早く検査すればよかったなと思うので、友人など周りの人に伝えています。「恥ずかしい」とか、「受ける意味あるの」とか、いろいろ言う人がいますが、やっぱりパートナーの女性側の方が負担は大きいですし、僕たちにできることはそれくらいしかないので、とりあえずやっておけ!という気持ちです。
女性:そうですね、授かるまでは先の見えない暗闇の中をずっと歩いている感覚でした。治療はどうしても女性の負担が多くなるので、なんで女性ばかりこんな思いをしなければいけないのかと、ずっと考えていました。娘に会えて少しは和らぎましたが…。ホルモン剤はメンタル面に影響しますし、通院となるとキャリアにも響いてしまいます。生半可な気持ちではできないと思うので、今治療を考えている人は覚悟を持って始めてほしいと思います。
インタビュアー:最後に、ご自身の経験を通してのアドバイスなどはありますか?
男性:治療のプランを細かく決めておくことも大事だと思います。何歳になったら次のステップにいくなどの治療の段階もそうですし、不妊治療そのものをやめるリミットも決めておいた方がいいと思います。先が見えないとモヤモヤし続けてしまいますし、頑張り続ける気力も持ちません。向き合う苦しさがあると思いますが、お互いが納得できるまで話し合って、計画しておくべきだと思います。
女性:私たちの経験談がなにか役に立てば嬉しいですし、暗闇から1人でも早く出られることを願っています。
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